初めて食べたバイン・ミーは・・・。
ベトナムに初めて行ったのは1997年。
ポルトガルで知り合ったお料理好きの友だちに誘われて、ホーチミンで現地のベトナム料理教室に参加したのでした。
食べるものはどれもこれも美味しく、自分たちで調べていったもの以外にも現地で見つけたり教えてもらったりしてどれだけ食べ歩いたことか。
ところが、バイン・ミーだけは帰国当日になっても食べられないまま。
帰る日の朝、ベンタイン市場の雑貨の店で働いているベトナム人の女の子に「どこかバインミーを食べられるところはない?」と聞いてみたら、中国系のベトナム人がやっている麺の店を教えてくれたのです。
え〜、ここにあるのかなぁ、と半信半疑でとりあえず麺を注文して食べていると、なんと(なぜか)そこにバゲットが置いてあるではありませんか!
「これ、バイン・ミー?」と聞くと、「そうそう、食べる?」というので、もちろん「食べる〜!」と私たち。
すると、やおらバゲットにざくざく切り込みを入れて、そばにある蒸し器の中から肉団子のようなものをバゲットにはさみ、スプーンの背でその肉団子をぶりぶりつぶすのです。
*白いお皿の下にあるのがしうまい。ベトナムではシュウマイに皮がありません、そして「Xiu Mai しうまい」と呼びます。餃子のようなものはハーカオ Ha Cao Hapという蒸し餃子です。
上から甘じょっぱいタレをたら〜り、パクチーをごそっと、生の赤唐辛子を入れて出来上がり。
ヌクトゥン(シーズニングソース)はお好みで。
バゲットをつぶしながら食べるのよ!とジェスチャーで教えてくれました。
こんなごはんのおかずのようなものをバゲットにはさむなんて・・・。
パテにハムとなます・・と私たちが想像していたバインミーとはちょっと違うものでしたが、その取り合わせは絶妙でした。
タレがバゲットにしみて、具のないところでも美味くて。
もちろん、パンはスカスカ。
これが私がベトナムで初めて食べた、「しうまいバイン・ミー」です。
ここから私のバイン・ミー人生が始まったのであります。
このお店は今も健在。フーティウ Hu Tieu という南部ではポピュラーな米の麺やボーコー Bo Kho(ベトナムビーフシチュー)も美味しくて、私は滞在中いちどは必ずここで朝ごはんを食べています。