足立由美子のまるごとバインミー

なんでもこい!のバインミー屋。

なんでもこい!のバインミー屋。

バイン・ミーとひとくちにいっても、バゲットの大きさや形、サンドイッチにして中にはさむ具材はベトナム各地でもさまざま。

もちろん、お店もいろいろ。大きなベーカリーの中にあるバイン・ミー売り場から小さいお店、屋台やリヤカーでまわるお店、道ばたにガス台を出して焼いた卵焼きをはさんでくれるお店、天秤棒をかついでくるおばさん、頭にかごをのせてまわっているおばさんなどなど。

「ウチはこれだけ!」というお店もあれば、「好きなもの何でも作ってあげるよ!」というお店もあります。
それぞれお店によってもソースやトッピングにこだわりがあり、毎回「う〜む、やるなぁ」と唸らされます。

こちらは「何でもこい!」の店の典型、サイゴン川の船着き場近くに夕方から出ているリヤカーのバインミー屋さん。
毎日3〜40分かけてリヤカーを引いて川の向こうから橋を渡ってくるんだそう。

手前の炭火で肉を焼き、左には目玉焼きやオムレツを焼けるようにガスコンロの上にフライパンがセットされています。
チーズにハムにパテ、さつま揚げ、ソーセージ、シウマイ、といろんな具材とトッピングがこの小さいガラスケースの中にきれいに並べられています。

脇から10代の青年が「オバちゃん、8,000ドンで目玉焼きの作って〜」と注文。
ベトナムでは具材で頼む以外に、こうやって「いくらいくらで」と先に値段を言ってそれに見合ったバインミーを作ってもらうこともできるんです。

高速船でブンタウに出かけた帰りに見つけたこの船着き場のバインミー屋さん。
今では夕暮れになるとホテルから近いこともあって、ふらふらとバインミーを買いに出かけています。

Profile

足立由美子足立 由美子
あだち ゆみこ

ベトナム屋台食堂
「Maimai」店主

東京・江古田にあるベトナム屋台食堂Maimaiの店主。
もともとはスペイン・中南米料理を研究していたが、ポルトガルで知り合った友人に誘われて出かけたホーチミンで、ベトナムの魅力にはまる。ベトナムの市場や店の片隅に眠っているレアな雑貨を持ち帰り、ベトナム各地で食べたおいしいものをMaimaiで再現、ベトナムの尽きない魅力を日々追い続けている。
2006年4月には、ベトナム料理留学仲間3人で『チェーカフェ』というユニットを結成。
イベントや料理教室などを通じて、ベトナム料理のおいしさを広める活動もしている。